傾聴とは?|聞き上手になるための10のテクニック
傾聴はコミュニケーションスキルの基本であり、最も重要なスキルです。
傾聴を正しく行えるようになると、相手から信頼を得られ、良好な人間関係を築くことができます。
傾聴は、仕事、学校、家族、友達、恋愛など、あらゆる場面で役立つので、誰もが身に付けるべきコミュニケーションスキルです。
そこで今回は、傾聴のプロである私が、傾聴の仕組みとテクニックをポイントを押さえて分かりやすく解説します。
ぜひ最後までお読み頂ければ幸です。
傾聴とは?
傾聴は「聴く」ことです。
ところで、あなたは「聞く」、「訊く」、「聴く」の違いが何か分かりますか?
- 聞く:音声が自然と耳に入ってくること
- 訊く:尋ねる、問いただすこと
- 聴く:相手の話しに耳を傾けて熱心に聴くこと
傾聴の聴くは、相手の話しが自然と耳に入ってくることでも、、自分が訊きたいことでもなく、相手が話したいことを心を込めて聴くことです。
相手が何を伝えたいのか、言葉に込められた想いは何か?発すること言葉の裏側にある本質は何か?これらを聞き分け理解するのが傾聴です。
傾聴の効果
傾聴には具体的にどんな効果があるのでしょうか?
人は話を聴いてもらえることで次の効果を得ることができます。
安心感を得る
傾聴は、相手を受容することに他なりません。
相手の話しを聴くという行為は、相手の存在を受け入れ、相手に寄り添う行為です。
人は話を聴いてもらえることで、自分の存在を受け入れられているという安心感を得ることこができます。
心が浄化される
人は自分の話を何も言わずに最後までしっかり聴いて欲しいと望んでいます。
忠告やアドバイスが欲しいわけではなく、ただただ自分の話を聴いて欲しいのです。
話を聴いてもらえることで、モヤモヤが浄化され、心がスーッと軽くなります。
考えを認識できる
人は自分の内側にある情報を一旦外側に出さなければ認識することはできません。
話すという行為を通してはじめて自分が何を考えているのかに気付くことができます。
つまり、人は自分の話を聴いてくれる人がいなければ自分の考えを知ることができないのです。
傾聴の基本
傾聴には3つの聴き方があります。
- 相手の話を集中して聴く
- 相手の話を促して聴く
- 相手の話を理解して聴く
ではそれぞれを詳しく見ていきましょう。
相手の話を集中して聴く
相手の話しを聴くには、まず「あなたの話を聴いています」という姿勢を相手に示すことが重要です。
何かをしながら話を聞くのではなく、相手の方に顔を向け、相手と視線を合わせましょう。
相手が話し始めたら、最後まで口を挟まず話を聴くことに集中して下さい。
他のことを考えたり、相手の話しを遮って自分の言いたいことを言わないように注意しましょう。
相手の話を促して聴く
傾聴は、ただ相手の話しを黙って聴くことだけではありません。
相手が話したいことを自由に何でも話せるように促すことも傾聴の重要な役割です。
相手の話しに興味を示し、もっとあなたの話を聴かせて!という態度を相手に示しましょう。
具体的には姿勢、うなずきや相槌などで相手の話しを促します。(詳しくは後述)
相手の話を理解して聴く
傾聴は、相手の考えていることや感じていることを理解しながら聴きます。
相手が何を伝えたいのか、何を受け止めて欲しいのかを理解することが重要です。
相手を理解するためのポイントは、相手の立場に立つことです。
自分の価値観や基準で捉えてしまうと、相手を評価することになるので注意しましょう。
聞き上手になれる10のテクニックを伝授
ではここからは、傾聴を効果的にするテクニックを具体的にご紹介します。
傾聴の効果を高める10のテクニック
- 環境を整える
- アイコンタクトする
- 表情を豊かにする
- ペーシングする
- ミラーリングする
- 相槌を打つ
- 話を促進させる
- 話を要約する
- バックトラッキングする
- 沈黙を大切にする
ではそれぞれを詳しく解説します。
1.環境を整える
話を聴くためにはまず相手が安心して話せる環境をつくることが大切です。
相手が話しやすく、またあなたが相手の話を聴くことに集中できる静かな場所を確保しましょう。
電話やインターネット通信を利用する場合は、電波の安定している場所で行い、マイクやイヤホンの音量が適切かどうか相手に確認して下さい。
また、相手と話す距離間についても、相手のパーソナルスペース(他人が自分に近付くことを許せる範囲)を確認しましょう。
2.アイコンタクトをする
話を聴く時は相手の方を向き、相手に視線を合わせましょう。
ただし、あまりに視線を強く向けすぎると、人によっては圧を感じてしまう事もあるので注意が必要です。
視線は適度に外すと良いでしょう。
3.表情を豊かにする
話をする相手が無表情で何を考えているか分からなかったり、気難しそうな表情をしていたら相手は話をしづらいです。
相手が話しやすいように表情を柔らかくしましょう。
また、相手の話す内容に合わせて表情豊かに喜怒哀楽を表現すれば、相手はもっと話を聴いて欲しいと感じます。
4.ペーシングする
ペーシングとは、相手のペースに合わせるという意味です。
具体的には、相手の表情、仕草、呼吸、体の動きなどの視覚的なものから、話すテンポや声のトーンなど聴覚的なもの、さらに感情的なものに対してペーシングを行います。
ペーシングを行うと、相手は無意識のレベルで安心感と親近感を持ってくれます。
5.ミラーリングする
ミラーリングとは、鏡になったように相手の動きに合わせることです。
例えば、相手が髪の毛を触ったら、自分も同じように髪を触ります。
ただし、あくまでもさり気なく行うことがポイントです。
ミラーリングを行うと、相手は無意識のレベルで一体感を感じ、安心してくれます。
6.相槌を打つ
傾聴の基本中の基本は、相手の話に相槌を打つことです。
ただ相手の話にうなずくだけでも相手を受容し、共感していることを相手に伝えることができます。
さらに、言葉を添えてうなずけばより効果的です。
例えば、
- 「うんうん」
- 「なるほど」
- 「そうなんですね」
7.話を促進させる
傾聴は、相手にたくさん話をしてもらうことです。
そのためには、相手の話しに興味・関心があるということを伝える必要があります。
例えば、
- 「それで?」
- 「それから?」
- 「もっと詳しく聴かせて!」
8.相手の話を要約する
相手の話を聴いていると、話の内容をしっかり理解できているか不安になることがあります。
そのまま分かったつもりにしていると、誤解が生じたり、相手に不信感を与えることもあるので注意が必要です。
そこで、相手の話を理解できているかを確認する方法として、相手の話を要約します。
例えば、
- 「ここまでの話をまとめると、〇〇ということですね?」
- 「つまり~とは〇〇だということですね?」
バックトラッキングする
バックトラッキングとは、オウム返しのことで、相手の言葉をそのまま繰り返すことです。
バックトラッキングは、相手の話をしっかり聴いているということを示すことができますし、相手自身が自分の考えや気持ちを確認したり、整理することができます。
バックトラッキングのポイントは、相手の言葉(最後のセンテンスなど)を変えずにそのまま繰り返すことです。
例えば、
- 話し手「来週プレゼンがあるのでとても緊張しています。」
- 聞き手「緊張しているのですね。」
沈黙を大切にする
相手が話の途中で沈黙することがあります。
聞き手は相手が黙ってしまうと不安になり、すぐに沈黙を埋めようとします。
しかし、沈黙は相手が自分と向き合い考えを整理したり、新しいアイデアを見つけ出す大切な時間です。
相手の大切な時間を奪わないように注意しましょう。
ただし、沈黙があまりにも長いと、「待たせているので早く話さなければ・・」と、相手を焦らせてしまいます。
もし沈黙が長いと感じた場合は、「大丈夫ですよ、私は待っていますからゆっくり考えてください。」と一声かけると良いでしょう。
まとめ
さていかがだったでしょうか?
傾聴について詳しく解説しました。
誰もが自分の話を聴いて欲しいと望んでいます。
聞き上手になれば、あなたは人から信頼され、評価もグングン上がります。
ぜひ傾聴のスキルを身に付けて、周りから必要とされる価値ある存在になって下さい。
今回の記事があなたのお役に立ちますように。