質問力を磨く方法|プロコーチが教える効果的な質問と文例
質問力を磨くと、コミュニケーションの質は劇的に上がります。
コミュニケーション能力が高い人は、皆質問力が非常に高いです。
なぜなら、良い質問は、質問をする側|される側にとって良い答えを導き出すことができるからです。
大袈裟ではなく、たった一つの質問によって人生が変わることもあります。
そこで今回は、質問のプロであるコーチの私が、質問力を磨く方法を具体的な例を交えて詳しく解説します。
特に、人を育てる立場にある人は質問力を磨くことは必須ですので、ぜひ最後までお読みいただければ幸です。
良い質問とはどんな質問か?
良い質問とは、良い答えが出る質問のことです。
具体的には、良い質問をすること|良い質問をされることで以下のような効果があります。
- (質問する側が)知りたい情報を正確に得られる
- (質問する側が)質問を考えることで情報を整理できる
- (質問に答える側が)具体的な答えを返せる
- (質問に答える側が)質問に答えることで情報を整理できる
- 相手の考えを明確にできる
- 相手からアイデアを引き出せる
- 相手に気付きを与えられる
- 相手からリソースを引き出せる
- 相手の選択肢を増やせる
- 相手が自分で考える力を養える
など、良い質問はする側、される側にとって大きなメリットがあります。
質問には2種類ある
質問と一言で言っても大きく分けて2種類の質問があります。
- オープンクエスチョン
- クローズドクエスチョン
ではそれぞれを詳しく説明します。
オープンクエスチョン
オープンクエスチョンとは5W1Hを使った質問で、相手が自由に答えられる質問のことです。
5W1H
自分の伝えたいことを相手に正確に伝えるための情報伝達手法で、When(いつ)、where(どこで)、Who(だれが) 、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)の頭文字をとった略称のこと。
オープンクエスチョンは、考えないと答えが出せない質問なので、相手の中から様々な情報を引き出すことができます。
ではオープンクエスチョンを使った質問例を見ていきましょう。
When(いつ)
時間やタイミングを明確にする。
- いつ〇〇しますか|〇〇できますか?
- いつから〇〇しますか|〇〇できますか?
- いつまで〇〇しますか?|〇〇できますか?
具体例:「あなたはいつダイエットを始めますか?」
Where(どこ)
場所を明確にする。
- どこで〇〇しますか?|〇〇できますか?
- どこが〇〇ですか?
- どこなら〇〇できますか?
具体例:「あなたはどこでそのやり方を学んだのですか?」
Who(だれ)
人物を明確にする。
- だれが〇〇しますか?|〇〇できますか?
- だれに〇〇しますか?|〇〇できますか?
- だれなら〇〇ですか?|〇〇できますか?
具体例:「その情報は誰に聞けば教えてくれますか?」
What(なに)
物事を明確にする。
- 〇〇はなんですか?
- なにを〇〇しますか?|〇〇できますか?
- なにが〇〇ですか?
具体例:「今あなたに一番必要なことは何ですか?」
Why(なぜ)
理由を明確にする。
- なぜ〇〇ですか?
- 〇〇はなぜですか?
- どうして〇〇ですか?
具体例:「あなたはなぜそのように思うのですか?」
How(どのように)
方法を明確にする。
- どのように〇〇しますか?|〇〇できますか?
- どうやって〇〇しますか?|〇〇できますか?
- どんな〇〇ですか?
具体例:「あなたはどのようにしてそれをやり遂げますか?」
クローズドクエスチョン
クローズドクエスチョンは、Yes、Noで答えられる質問のことです。
クローズドクエスチョンは、相手の意志や事実の確認を行ったり、いくつかの選択肢の中から答えを選ぶ時などに使います。
では、クローズドクエスチョンを使った質問例を見ていきましょう。
意思の確認
- 〇〇しますか?|〇〇しませんか?
- 〇〇できますか?|〇〇できませんか?
- 〇〇をしたいですか?|〇〇をしたくないですか?
具体例:「あなたは本当にそれをしたいのですか?」
事実の確認
- 〇〇はありますか?|〇〇はありませんか?
- 〇〇しましたか?|〇〇しませんでしたか?
- 〇〇できましたか?|〇〇はできませんでしたか?
具体例:「頼んでおいた件はやってくれましたか?」
選択肢の中から答えを選ぶ
- 〇〇の中からどれを選びますか?
- 一番〇〇はどれですか?
- ①と②のどちらを選びますか?
具体例:「この中であなたにとって一番大切なものは何ですか?」
プロが実践する効果的な質問
ここからは、現役のプロコーチが実践する効果的な質問をご紹介します。
本当に効果絶大なのでぜひシーンに合わせてご活用ください。
物事を具体的にする質問
人間の脳は情報が曖昧なままでは正しい行動を起こすことはできません。
正しい行動を起こすためには、情報を詳細にし、具体的な答えを出す必要があります。
例えば、
- 「〇〇とは具体的に何ですか?|〇〇をもう少し具体的に言うと?」
- 「理想の状態が100だとしたら今はどれくらいですか?」
相手からやる気を引き出す質問
人は頭では分かっていてもなかなか行動に移せないというギャップを抱えています。
このギャップを埋めるために効果的なのが、行動を起こすことで得られること、失うことを明確にすることです。
例えば、
- 「行動を起こすことであなたにはどんな良いことがありますか?」
- 「もし行動しなければあなたは何を失うことになりますか?」
相手からアイデアを引き出す質問
ブレインストーミングなどで相手からどんどんアイデアを出してもらい時があります。
このような時に効果的なのが、常識や固定概念に囚われない自由な発想を描けるような質問を問います。
例えば、
- 「もし何の制限もなければ何がやりたいですか?」
- 「もし願いが何でも叶うとしたら何をお願いしますか?」
相手の視点を変える質問
人は思い込みに囚われてしまうと、他のことが見えなくなったり、選択肢を狭めてしまいます。
このような時は、相手の視点を変えるような質問が非常に効果的です。
例えば、
- 「もしあなたが相手の立場から自分を見たらどう感じますか?」
- 「ライバルが今のあなたを見たらどう思うでしょう?」
相手から要望を引き出す質問
相手が困っている時、良かれと思って行ったことが相手にとって有難迷惑になることはよくあります。
相手を効果的にサポートするためには、相手が必要な要望を引き出す質問をします。
例えば、
- 「今どんなサポートがあれば助かりますか?」
- 「私にどんなサポートをして欲しいですか?」
相手に客観的な視点を与える質問
相手が自分の世界だけで物事を捉え、視野が狭くなっていると気付く時があります。
このような時は、押しつけがましくなく、さり気なく相手に客観的な視点を与えると効果的です。
例えば、
- 「もしあなたの親友が今のあなたと同じ状況にあったら何とアドバイスしますか?」
- 「あなたが憧れている〇〇さんだったらどうすると思いますか?」
相手から強みを引き出す質問
人は自分の強みを活かすことができれば、仕事や人生においてより効果的なパフォーマンスを発揮できます。
相手から強みを引き出す質問があります。
例えば、
- 「あなたが人から褒められたり、感謝されることは何ですか?」
- 「あなたが自分では当たり前と思っていることで人から凄いと言われることは何ですか?」
相手からリソースを引き出す質問
人は必要としている答えは自分の外側にあると思い込んでいます。
しかし、自分の内側に視点を向けると、答えは自分の中にあることに気付くことができます。
例えば、
- 「これまでの経験で活かせそうなものはありますか?」
- 「この件について周りに協力してくれそうな人はいますか?」
その他会話を広げる質問集
ここでは、アイスブレークや場を盛り上げるために使える質問集をご紹介します。
アイスブレーク
初対面の人同士が出会う時、その緊張をほぐすための手法。
- もし映画やアニメの主人公になれるなら?
- ドラえもんのポケットがあれば何を出しますか?
- もし性別が変わったら何をしますか?
- タイムマシーンがあればいつどの場面に行きたいですか?
- 自分が今の会社の社長になったとしたらまず何を変えますか?
- 最後の晩餐は何を食べたいですか?
- 日本以外で暮らすとしたら?
- 宝くじで3億円当たったら何をしますか?
- 一日だけ動物になれるとしたら何になりますか?
- 自分を食べ物に例えると?
- 死ぬまでに絶対にやりたいことは?
- もし明日死ぬとしたら何をしますか?
- もし本を出版するとしたらどんなことを書きますか?
- 無人島に3つだけ持っていけるとしたら何を持っていく?
- もしどんな声にでもなれるとしたら誰の声になりたい?
- 歴史上の人物になるとしたら誰になりますか?
- 1年間同じメニューを食べなければならないとしたら何を食べますか?
- 1万人の前でスピーチしなければならなくなったら何を話しますか?
まとめ
さていかがだったでしょうか?
質問力を磨く方法を具体例を挙げながら解説しました。
良い質問は質問する側|される側の双方にとって良い効果をもたらします。
ぜひ質問力を磨いてコミュニケーションの質を高め、仕事や人間関係の質を高めて下さい。
今回の記事があなたのお役に立ちますように。